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01.Ash wings

気づけば僕らは 
隣同士だったね 
異国の地で出会った 
君は言葉少なに 

夢ならそれでいい 
乾いた大地 
心にひとしずくの涙 

くろがねの矢を引いた 

景色はひといろ 
汚れた譜面に 
鮮やかな朱を零して 

ここに在る総て灰と成れ 
君は天使を模して 
生ける者統べて闇と為せ 
熱い抱擁とともに 

美しく総て空を舞え 
羽は踊るように 
清らかに統べて燃えて散れ 
ここに愛を誓おう 

気づけば僕らは 
離ればなれだったね 
紅の髪飾り 
遠くから眺めてた 

行く宛てなど無い 
風に任せよう 
永遠は命尽きても……了らない 

灰色の羽よ空を舞え 
高く踊るように 
灼熱の雪よ緋に染まれ 
君に愛を誓おう 

ここに在る総て灰と成れ 
君は天使を模して 
生ける者統べて闇と為せ 
熱い抱擁とともに 

美しく総て空を舞え 
羽は踊るように 
清らかに統べて燃えて散れ 
ここに愛を誓おう 

ここに在る総て灰と成れ 
生ける者統べて闇と為せ 
君に愛を誓おう

02.まほろば

巡れ永久に旅の風は 
君に染まる真紅の華 
了らぬ果てのその先へと 
帰ろう 咎無き まほろばへと 

君は儚き 
夢は幻 
永久にゆらめく
阡陌(みち)ひとひら 
温もりを預けて 

重ねた指に弔いを 
振り向くは灰色の地図 
生きるは想い 明日の未練 
陽炎誘う 時の調べ 

月の満ちる夜
冷たい滴の輝き燈す 
行こう彼方へ
僕らの願いを叶えに 

君は暁 
夢は麗らか 
空の自由に舞う翼で 
「その手を離さない」 

鼓動静かに時を止め 
緩やかに尽きる命 
終わらぬ旅の始まりには 
教えて どうして君は泣くの 

悲しみ嘆き楽園は 
終焉を知らぬ孤独 
愛し愛おし愛しき君へ 
誓った約束“まほろばへ” 

巡れ永久に旅の風は 
君に染まる真紅の華 
了らぬ果てのその先へと 
還ろう 君亡き まほろばへと

03.caelum

面影探して彼方へさ迷う時の奏
天使の灰羽闇夜に散り逝く紅い雫
月影ゆらめく記憶は儚き花弁
名もなき想いは幼い君へ贈る旋律

君はまだ知らない光と影
夢と見える空を照らして
ひとつその心汚れぬように
caelum 見守るから

紅雪舞う旅立ちの朝に別れを
告げたその日から想いはただ君に寄せて
頬伝う涙に悲しみのなきように
君亡きまほろば新たな命に光あれと
願いを……

出会い別れやがて君は変わる
握り締めた指の記憶は焼かれ
遠く遠く響くその産声
caelum 届いている

君はいつか誰かに恋焦がれ愛を知るだろう
そしてまた新しい命の始まりに出会う
月の満ちる頃に歌声は空へ届くだろう
「……」

孤独とともに僕は生きた
奏で歌う愛も知らないまま
灰色の大地で君と出会い
caelum,ama anima

君はまだ知らない光と影
夢と見える空を照らして
ひとつその心汚れぬように
caelum 見守るから

君はもう知らない夢の記憶
眩しい光に導かれて
僕の名前を君が忘れても
caelum 見守るから

​04.半透明の少女

彩(あや)を無くした冬の
舞う雪のような儚(はかな)
見知らぬ君は僕を
そっと見上げていた

凍てついた夜 ただ君は
立ち尽くした雪の衣装
時を止めて朧げな
その身体に触れたくて

「あなたを探しに来たの」
君は微かな声で
見上げた空の向こうに
まほろばを映し出す

焼け付くような地平線
遥か遠い記憶
「君と此の場所で出逢ったの
灰の雪舞う夜」

君の声が永久(とこしえ)に
閉ざされた氷の華を
掌で温めるように
少しずつ溶かしてゆくよ

君と出逢う始まりも
旅立つ君に告げた別れも
全てが今空に解き放たれて
輝くよ

輪る廻る星空は
巡り会う地図の様に
僕らは漂いながら
道標を探して

君が残したその羽根は
やがて小さな命へと変わってゆくよ

生まれ落ちたこの場所で
また愛に巡り会う
僕も大人になったよ
守るものを見付けた

いつか……
君が教えてくれたね
生きてゆく愛しさを
僕はもう大丈夫だよ
どうか君は安らかに

「あなたに出会えて良かった」
君は小さく呟く
雪の様な儚い微笑みとともに
消えゆく

05.GIRL「 のための歌」

聴こえる雪の白い瞬き
広がる光 僕を呼ぶような
揺らめく揺れる甘い歌声
触れられ香る 君が生まれ

囁いて 輝いて

君の瞳を その唇を
その掌を その悲しみさえ
溶けてゆくように
混ざり合うように
沈み込むように
君は君と

繋がって 全て受け止めて
君の中 その心 その肌に触れて
気付いたの……

蘇る ひとひらの想い
夢の中へと
その心 その肌に触れて
気付いたの

囁いて 絹のような声で
輝いて
気付いたの 君にある全て
君だった

そのままで

06.パラレルゲート

時を止めて君に会おう
悲しみのない世界へと
そしていつか微笑みながら
君の想いを聴かせてよ

永遠に眠る君の横顔を
見つめながら「おやすみ」を言った
君が無邪気に燥(はしゃ)ぐ姿を
心の中に思い描いてた

君に会いたい
君に触れたい
瞬きをして息をして
穢れのないその瞳で
見つめあうのが夢だった


時の流れは僕の命も枯らせ
君の目覚める扉を探そう
parallel gate

君に会いたい
君に触れたい
瞬きをして息をして
穢れのないその瞳で
見つめあうのが夢だった

時を止めて君に会おう
悲しみのない世界へと
そしていつか微笑みながら
君の想いを聴かせてよ

07.蜜室黒薔薇乙女

閉じ込めて 満たして 蜜室の中
Ah あたしを 誘って 鍵をかけたわ

どこかで眠っているの あたしを見つけて
黒薔薇の園
荊棘の海に溺れるなら

覚めて消えゆく光を探しながら
あなたの声が鍵となって導くわ
華が散る 星が降る
雪が舞う 月が輝る
季節は廻っていく

あなたが迎えに来てくれるはず

甘い蜜の味を忘れたの?
鼓動が止まってしまいそうよ
誰でもないあなたが好き
ただ慰めて欲しいだけなのに

鮮やかな朱に染まっていく

まるで磔(はりつけ)られたイエスのように
四肢に絡んだ棘に鮮血が滲みていくわ
月が散る 雪が輝る
星が舞う 華が降る
季節は恋われていく

あたしは未だ閉じ込められたまま

覚めて消えゆく光を探しながら
あなたの声が鍵となって導くわ
華が散る 星が降る
雪が舞う 月が輝る
季節は廻っていく

悲しみに磔(はりつけ)られたイエスのように
四肢に絡んだ棘に鮮血が滲みていくわ
月が散る 雪が輝る
星が舞う 華が降る
季節は恋われていく

あたしは閉じ込められた黒薔薇

08.マキナ

時は急ぎ足の駆け足で歯車を回す
いつか君と世界の終わりまで行こう
触れた肌が冷たくても鼓動が止まってても
明日また笑って話をしよう
夜眠るまで

生まれた瞬間から君は僕の傍にいたから
名前のない僕に君が愛を注いでくれたから
何も知らない夜はそっと手を握ってくれたから
たとえ機械仕掛けでも
僕は君が好きだよ
僕が君へ贈る恋の唄

いつまでも いつの日でも
いつの時代でも いついつまでも
世界を鳴らす鐘は止まない
僕らの永遠へ旅しよう
君がいて 僕がいて
世界があればあとは何もいらない
“マキナ”全てを癒すから
このままずっと一緒にいよう

時が流れ流れ流れても終わらない夢を見たい
君は静かに息を止めて……止メテ
永遠が僕にしかないと今更気付いても
君の目瞼もいつか開くんだろう?
あれから幾瀬……

戸惑いも悲しみも喜びも君の真似をしてた
眠る君を抱いて僕も眠る 聴こえる子守唄
その夢の中でも僕は君を愛しているかな
君がそう願うから
僕は君を好きだよ
どんなに歯車が回っても

君が好き 君が好き
偽る術を知らない僕の気持ち
愛し方も君が教えたろう?
時の無常を考えもせず
日々は行き 君は雪
歯車の恋だけが回り続けて
“マキナ”君だけを想うから
その為に僕は生まれたんだ

寂しいよね 君はいつもそうさ
無責任で自分勝手
寂しいよね 恋をさせておいて逝くだなんて

いつまでも いつの日でも
いつの時代でも いついつまでも
世界を鳴らす鐘は止まない
僕らの永遠へ旅しよう
君がいて 僕がいて
世界があればあとは何もいらない
“マキナ”全てを癒すから
このままずっと一緒にいよう

時を 超えて やがて
君と ずっと……

​09.美月

いつか見せてくれた白く輝る月に
指を重ね祈る貴方はとても美しく
揺れる恋心におぼろげな輪郭
秋の訪れを告げる風が別れを連れて

十六夜の出逢いに夏の残した想いは
まだ遠い夜空に願いをかけて
「貴方とずっと……」

奏で合う星の調べ
立ち尽くす花は月を見上げ
光を放ち消えゆく想い
涙も涸れて

時を刻む貴方の胸の鼓動の音
闇夜に咲き乱れ散るように
人はいずれ過ぎた恋を忘れて
私の名前も夢から醒めるの

果ての無きを望む月の満ち欠け
叶わない願いを空に掲げて
貴方と見上げた最期の美月は
白く輝る満ちた佳月浮かべて

GRAY FABULA

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